消化器・低侵襲部門

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消化器・低侵襲部門の取り組み

 

患者さんに優しい医療を目指して

みつわ台総合病院消化器・低侵襲部門の特徴は、外科専門医6人・消化器外科専門医・指導医3人・内視鏡外科技術認定医1人 のスタッフ構成のもと、内視鏡外科(腹腔鏡手術)など高度な技術を要する低侵襲外科を積極的に行っております。

消化器外科手術には大きく分けて開腹手術・腹腔鏡手術の2種類がございますが、そのなかでも患者様に負担の少ない・優しい手術を追求し、かつ安全で質の高い医療を実践しております 。相談により患者様は腹腔鏡手術と開腹手術の選択が可能であります。腹腔鏡手術は従来の開腹手術より傷跡が小さく術後の痛みを軽減でき、術後合併症も少なく早期の退院が可能な体に優しい手術でございますが、この手術を安全・確実に行うためには十分な修練による手技の習熟が必要であると言われています。

  • 腹腔鏡手術の傷
    腹腔鏡手術の傷
    S状結腸癌 腹腔鏡下S状結腸切除

これまで内視鏡外科専門医として手技の研鑽を積み、着実に実績 (学会・論文発表抜粋を参照ください) を築いてまいりました。 その経験のもと、当院消化器・低侵襲外科部門でもほぼすべての消化器疾患に対し腹腔鏡手術を導入しており、より安全で質が高く・患者様に優しい医療が提供可能となっております。
具体的には消化器疾患(食道・胃・大腸癌、肝胆膵疾患、胆石症など)、急性腹症(急性虫垂炎、腸閉塞、腹膜炎、腹腔内膿瘍)、鼠径・腹壁ヘルニアなど癌から一般疾患まで幅広く腹腔鏡手術に対応しております。病状の程度により一部例外もございますので詳細は消化器・低侵襲部門 勝野までお問い合わせください。

更なる低侵襲性の追求

患者様への負担軽減のための更なる低侵襲治療の追求も続けております。
手術の安全性・Qualityを損なうことなく手術の切開創の数やサイズを減らすことで低侵襲化を図るReduced Port Surgery (RPS) やその究極形である単孔式腹腔鏡手術(Single Port Surgery: SPS)も積極的に導入しております。特に、SPSは臍部の小さな傷のみとなりますので手術創部も通常の腹腔鏡手術の傷と比較するとほとんど目立たず美容面でも優れた術式となります。


  • 30F・直腸癌
    低位前方切除

  • 40F・結腸癌
    左半結腸切除

  • 50F・直腸癌
    低位前方切除

  • 40代M・結腸癌
    S状結腸切除

  • Step1
    臍部小切開

  • Step2
    開創器具装着

  • Step3
    プラットフォーム装着

  • Step4
    術中操作

しかし、SPSは手術自体の難易度が上がるため適応となる疾患や対象となる患者様をある程度(年齢・体格など)、制限しなければいけません。その上で、当院では、大腸癌などの大腸疾患・虫垂炎・鼠径ヘルニア・胆石症などに適応を限定しております。特に大腸癌に関しましては、通常の腹腔鏡手術より更に適応を厳格にし、現時点ではあまり進行しすぎていない症例などに限定しております。このSPSに関しましても国内外で幅広く発表・普及活動をつづけており(学会・論文発表抜粋を参照ください)、今ではoptional surgeryとして認知されるようになりました。

  • SPSは通常手術のオプション手術である
    SPS可能術式

参考までに下記はアメリカ内視鏡外科学会(SAGES)で大腸癌に対する単孔式腹腔鏡手術の手術ビデオ/長期成績を報告した際のSAGES公認動画です。

  • 手術動画① 2014SAGES
    2014SAGES
  • 手術動画② 2015SAGES
    2015SAGES
  • 手術動画③ 2017SAGES
    2017SAGES

当院で行っている大腸癌に対する単孔式腹腔鏡手術ビデオの一例です。


  • 動画をご覧になりたい方は再生ボタンをクリックしてください(02:18)

直腸S状部癌
単孔式腹腔鏡下前方切除

このSPS/RPSに関しましても病状の程度により一部例外もございますので詳細は消化器・低侵襲部門 勝野までお問い合わせください。
皆様のご来院・お問い合わせお待ちしております。
よろしくお願いいたします。

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当院の手術方針

腹腔鏡手術について

イラストのように、腹腔内に鉗子と呼はれる道具を使用することで、従来の開腹手術より傷跡が小さく術後の痛みが軽減でき、体への負担が小さいため、術後合併症が少なく早期の退院が可能となる術式です。
対象となる症例は、具体的には

  • 消化器疾患(食道・胃がん・大腸がん、肝胆膵疾患、胆石症など)
  • 急性腹症(急性虫垂炎、腸閉塞、腹膜炎、腹腔内膿瘍)
  • 鼠径・腹壁ヘルニアなど
癌から一般疾患まで幅広く腹腔鏡手術に対応しております。病状の程度により一部例外もございます。また上述しておりますように患者様への負担軽減のための更なる低侵襲手術として手術の切開創の数やサイズを減らすことで低侵襲化を図るReduced Port Surgery(RPS)やその究極形である単孔式腹腔鏡手術(Single Port Surgery: SPS)も積極的に導入しております。詳細は消化器・低侵襲部門・勝野までお問い合わせください。

腹腔鏡手術について
  • 腹腔鏡手術風景①
  • 腹腔鏡手術風景②

当院での腹腔鏡手術風景

消化管

胃がん

日本では胃癌はかつて男女とも癌死亡の1位でありましたが、現在は死者数は減少しています。胃癌は早期に発見された場合、手術あるいは内視鏡的に完全に切除が可能であり、完全に切除されたときの再発率は非常に低いため不治の病ではありません。当院では胃癌治療ガイドラインを遵守して治療を行い、内視鏡あるいは腹腔鏡手術(腹腔鏡下幽門側胃切除, 腹腔鏡下胃全摘術など)も導入して適切で低侵襲な治療を心がけています。また、切除不能、或いは再発胃癌に対しても積極的抗癌剤治療により切除可能となり長期生存が得られる症例も当院では認められており、外来通院での治療が可能となるような治療効果が見られる方も最近では多くなってきました。


  • 動画をご覧になる方は再生ボタンをクリックして下さい(06:53)

胃がん
腹腔鏡下幽門側胃切除
手術ビデオ

大腸がん

大腸癌に進行するリスクは年齢とともに増加傾向にあります。その多くは60歳代70歳代で発症しますが、40歳以降は定期的な検査が必要といわれており、日本でも胃癌を追い越し肺癌についで2番目に多くなっている癌です。当院では早期・進行癌ともに腹腔鏡手術を積極的に導入しております。進行しすぎていない症例では、既に詳述したように単孔式手術も導入しています。進行癌症例には補助的治療として内服による抗癌剤治療を行い、再発症例についてもできるかぎり外来での抗癌剤治療を導入し、患者様が有意義な日常生活を送りながら治療ができるよう、そして一日でも長くその状態がたもてるように日々改善に努めております。また、大腸癌はポリープから進行していくものが多く、大腸内視鏡検査を定期的に受けることが非常に大切です。当院には優秀な内視鏡スタッフもおりますので、ぜひ、定期的に大腸内視鏡検査を行うこともお勧めいたします。
当院ではICG(インドシアニングリーン)を用いた腸管血流評価・腫瘍からのリンパ流評価を臨床試験として積極的に行っています。特に血流評価に関しましては、ICGを用いて腸管血流を正確に評価することで、より正確な腸管縫合を行い、術後縫合不全のような重篤な合併症を防ぐ目的で行っております。現在は臨床試験段階ではありますが非常に良好な成績を得ており、患者様への負担軽減には非常に有用な手技であると考えています。


  • 動画をご覧になる方は再生ボタンをクリックして下さい(04:38)

直腸がん
腹腔鏡下低位前方切除
手術ビデオ


肝胆膵

胆道

胆石症、総胆管結石などの良性胆道疾患をはじめ、肝臓癌、胆嚢癌、胆管癌、膵臓癌などの悪性疾患に対しても診療を行っております。この分野で一番多い疾患である胆石症については、低侵襲な腹腔鏡手術を第一選択とし、総胆管結石についても 消化器内科との連携により内視鏡的治療の後に腹腔鏡下手術を行うことにより、従来の手術より入院期間を大幅に短縮し(術後3~5日で退院可能)体にも優しい治療を行っております。もちろん内視鏡的治療困難例の総胆管結石も腹腔鏡手術可能です。胆石症は炎症の程度が軽度であれば、より低侵襲な単孔式腹腔鏡手術も可能となります。胆石との診断を受け治療が必要だといわれた患者様はぜひ一度、当科にお問い合わせてください。

肝臓

肝細胞癌、転移性肝癌などを、ダイナミックCT、MRI、血管造影、造影超音波検査などの画像を駆使して的確な診断を行います。日本大学消化器外科の高山忠利教授の監修を受け肝臓専門医が、手術治療、肝動脈塞栓術(超選択的)、肝動注化学療法などの内科的治療を含め、生活の質を落とすことがないように配慮し積極かつ集学的な治療を行っております。最近では、大腸癌肝転移に対して、化学療法を行い縮小傾向が認められた場合には、根治術を目指し積極的に切除術をおこなうことで長期生存例が得られる患者様が認められております。また、症例や腫瘍局在によっては腹腔鏡手術も適応にしております。

膵臓

膵臓については、急性膵炎に対する集学的治療から、慢性膵炎に対する手術治療まで、内視鏡治療、及び従来から行われている手術治療にも対応可能です。消化器癌の中では悪性度が高いといわれている膵臓癌に対する膵頭部十二指腸切除から、最近、画像診断の進歩により発見されるようになりました、膵嚢胞性疾患(IPMN)などの比較的悪性度の低い腫瘍も手術適応にしております。
なお、IPMNに対しては腹腔鏡手術対応可能です。


ヘルニア

そけいヘルニア

そけいヘルニアに対しては積極的に腹腔鏡下ヘルニア根治術(TAPP法)を行っております。腹部大手術後で腹腔内の癒着が強いことが予想される場合には従来法(メッシュプラグ法・PHS法・ダイレクトクーゲル法)で行うこともあります。

腹壁ヘルニア

腹壁瘢痕ヘルニアや白線ヘルニアなどの腹壁ヘルニアに対しても腹腔鏡下根治術の適応としております。一部の症例においては適応にならないケースもございます。
詳細はお問い合わせください。


急性腹症・その他

上述したような疾患以外でも積極的に腹腔鏡手術を行っております。

虫垂炎・穿孔性虫垂炎による腹膜炎・膿瘍形成性虫垂炎

虫垂炎は程度により、ごく軽症のものから、手術が必要になる中等度のもの、そして穿孔して膿がおなかのなかに広汎に散らばり重症化するもの、あるいは大きな膿瘍形成を伴うことにより重症化するものまで様々な病態があります。
患者様の全身状態にもよりますが、まずほとんどの症例で腹腔鏡手術が安全に施行可能です。
詳細は消化器・低侵襲部門 勝野 までお問い合わせください。

  • 腹腔鏡手術 膿性腹水
  • 腹腔鏡手術 膿性腹水
  • 腹腔鏡手術 壊死した虫垂
  • 腹腔鏡手術 壊死した虫垂

15歳
穿孔性虫垂炎による汎発性腹膜炎 術中画像


  • 動画をご覧になりたい方は再生ボタンをクリックしてください(00:58)

12歳
穿孔性虫垂炎による汎発性腹膜炎 術中動画(解説あり)
穿孔した虫垂を切除し腹腔内を大量洗浄しています
手術時間 約1時間
述語経過良好で術後6日で退院されました

腸閉塞(癒着性腸閉塞・絞扼性腸閉塞など)

基本的には腹腔鏡手術適応としています。
しかし、おなかが腸液でパンパン張っている状態では腹腔用手術は困難となりますので十分な減圧をしておかなければいけません。
全身状態が悪いケースや頻回の大開腹術後のケースでは開腹手術となることが多いですが、腹腔鏡手術で行えると患者様には非常に低侵襲な手術となります。
詳細は消化器・低侵襲部門 勝野 までお問い合わせください。


  • 動画をご覧になりたい方は
    再生ボタンをクリックしてください(00:46)
  • 腹腔鏡手術 腸閉塞

76歳
腹部大動脈瘤術後の癒着性腸閉塞 動画
癒着を解除し、捻れた腸管を整復しています
幸いにも、この症例では腸管壊死は認めませんでしたので腸切除せず短時間で手術終了しています
手術時間 約1時間



*その他、胃・十二指腸穿孔・汎発性腹膜炎、繰り返す憩室炎、一部の大腸穿孔 などにおいても患者様の全身状態が良く、その他の様々な条件が整えば安全な腹腔鏡手術が可能です。
詳細は消化器・低侵襲部門 勝野 までお問い合わせください。


肛門疾患

肛門疾患については、内痔核、外痔核、裂肛(肛門狭窄)、痔瘻、肛門周囲膿瘍に対する薬物療法(外用薬、内服薬)から、手術治療まで行っております。
特に、内痔核に対しては、切らずに治す新しい治療法であるALTA療法(四段階注射法)を取り入れています。適応症例の診断が必要ですが、この治療法は、ジオン注を痔核に注入することで急性炎症を起こし、炎症修復反応で線維化させ、脱出した痔核を硬化・退縮する療法です。従来の高位結紮切除術に比較し、術後の肛門部疼痛、肛門部出血が少ないことが特徴です。(ALTA療法 登録施設です。)

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